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「ひろしま・ライスクッキング・コンテスト」〜次世代に引き継ぐ「地産地消」「食」「農」への思い①〜

JAグループ広島は、中学生や高校生に食と農への理解促進を目的に、毎年「ひろしま・ライスクッキング・コンテスト」を開催しています。
第1回コンテストで最優秀賞を受賞し、現在、家庭科教諭として生徒に食の大切さを教えている岡島あゆみさんにお話を伺いました。
(2016年9月23日取材)

第1回目のコンテストで最優秀賞を受賞したのは、広島市安佐南区にある広島市立城南中学校の家庭科教諭の岡島あゆみさんです。
料理のタイトルは「いっしょに食べよ ー海の幸むすびー」。広島菜漬やちりめん・鯛みそなどを具材にしたおむすび、牡蠣のしょうが煮、牛肉としめじの卵とじ、ゆず風味の酢の物という献立でした。
コンテストに応募したのは、当時通っていた広島大学附属高校の家庭科の一ノ瀬孝恵教諭の紹介がきっかけでした。コンテストのレシピを考えるために、広島県産の農産物について学習し、道の駅やスーパーに通い詰め、広島産の食材をふんだんに使ったレシピを考案しました。

応募当時の「地産地消」への思いとして、

カルシウムたっぷりの海の幸のおむすびを作ろうと考えて、ちりめんを主役に、わかめと広島菜漬で変化をつけた焼きむすびを作りました。牡蠣もしょうがで佃煮風に煮ることで、食べやすくしました。
広島の特産品を探したり、スーパーでも広島産のものを選ぶのは楽しかったです。
広島産のものが意外に多いことに気がつき、これからも、近くでとれた新鮮な野菜などを気をつけて買おうと思いました。

というメッセージを寄せています。

「農産物の大きな産地は学校で習っていましたが、県内でもいろんな野菜が生産されていることがわかりました」と当時のことを振り返る岡島さん。今でも道の駅や産直市では「お土産コーナー」よりも農畜産物に目が行き、「広島県産」と書いてあればつい買いたくなるほど、地元愛が生まれました。農業にも興味・関心が沸き、食や農に関する理解が深まるきっかけになりました。

翌年の第2回のコンテストにも応募、「野菜色イロ産・賛弁当」を作り、地産地消特別賞に輝きました。神石産のこんにゃくを使った「こんにゃくいなり」、比婆牛のひき肉で「なすのそぼろあん」、安芸津産のじゃがいもを使った「じゃがいもとピーマンのシャキシャキサラダ」等、地産地消を意識したメニューで、審査員からとても高い評価を受けました。考案した弁当は、その年のフード・フェスタで販売されました。

受賞したレシピに書かれた地産地消に対するメッセージは以下の通りです。

炊きたてほっかほかの白いごはんは、幸せのイメージです。どの国の食材、料理法とも相性が良いお米は本当にすごいな、と思います。日本人の主食はやっぱりお米ですね。お米の1粒は毎日の体のエネルギーのもとであるとともに、黄金色の秋の田の風景は私たちの心のエネルギー源だと思います!!
“広島県産をさがせ”これが私が買いものに行く時のテーマです。このごろは近所のスーパーでも産地が必ず表示してあるので、自然と「広島産」を選んでいます。私は生物部に入っていて、学校の裏庭で野菜を作っています。自分たちで育てたじゃがいもやトマトは格別においしいです。地産地消は作物を育てている人がいっそう身近な気がして安心して食べられます。作った人の苦労を思って、感謝して食べたいです。

岡島さんは現在、家庭科の教諭として、生徒たちに食の大切さをはじめ、衣食住に関することを教える日々を送っています。中学2年生には、ひろしま・ライスクッキング・コンテストのレシピづくりを夏休みの課題にしています。 2014年度の第13回大会では、岡島さんが担任するクラスの生徒が最優秀賞を受賞しました。教え子の受賞で、「自分が教えることが、生徒が将来生きていくことに繋がるという責任感を改めて感じるきっかけになった」と言います。「作ってくれた人の思いを生徒に伝え、生徒が保護者に伝えることで、産直市などに行ってもらい、広島県産の農産物に興味を持ってもらいたい」と、これからも地元の農畜産物の良さ、地産地消の大切さを伝えていく決意です。

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