広島県内農業ニュース

JA三原/「恋の予感」本格導入/高温に耐性、食味も良好

2017.02.28
県内農業

 三原・「恋の予感」生産者大会JA三原は、2017年度から水稲新品種「恋の予感」を本格導入し、主力品種だった「ヒノヒカリ」からの切り替えを進める。試験の結果、高温下でも玄米品質に優れ、食味も良いことを確認。20日には、三原市で生産者大会を開いた。JAや全農ひろしま、県の担当者が、農家ら約280人を前に品種の魅力を伝え、転換への理解を呼び掛けた。

 JA管内南部で生産が盛んな「ヒノヒカリ」は、16年の作付面積が約620ヘクタールと、管内の主食用米全体の4割を占める主力だった。ただ、温暖化の影響で、登熟期の高温による品質低下が問題となっていた。

 課題を克服する研究を進めてきた県農業技術センターは、「恋の予感」について「かん長が短くて倒れにくく、止め葉が長いので十分に光合成を行う」(栽培技術研究部・勝場善之助副部長)と話す。「ヒノヒカリ」よりも1割ほど多収を見込めることを確認。同JAも16年は6.5㌶で試験栽培し、導入の手応えを得た。

 販売では、JA全農ひろしまが普及に力を入れる。15年産から、テレビCMで「恋の予感」のPRを開始。「お米のアンバサダー」と命名した女性スタッフが、スーパーの店頭などで消費者に直接、魅力を伝えている。15年に33店だった取扱店舗は、16年は167店舗に急増。3月下旬にはコンビニエンスストアで1キロ袋の発売も予定する。

 大会では同JAの西原常雅組合長が自ら、品種転換の経緯を説明。「国による生産調整が見直され、より戦略的に『売れる米づくり』に取り組まないといけない。不安はあると思うが、産地の評価が定着すると確信している」と、本格導入への決意を示した。
(三原)