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沼隈農園の研修生が苗木800本を育てマル沼ぶどうのさらなる産地形成に期待/JA福山市

2017.04.18
県内農業

 ふくやま・ブドウの苗木800本を研修生が育てるJAなどが設置した福山市の広島県果樹農業振興対策センター沼隈農園で今年から、初めてぶどうの苗木の生産に取り組んでいる。来年3月ごろまで管理し、同市特産のマル沼ぶどうの栽培農家へ供給する予定だ。

 苗木の定植から初収穫までの期間が5年かかっていたが、生長した苗木を植えることで収穫時期を1年短縮できる。品質のそろった苗木を各農家に安定供給し、若木への更新を進め、さらなる産地形成と実習生の技術向上の両面で期待が集まる。苗木の栽培を同農園の研修生に任せることで、ブドウ栽培の担い手の育成にもつなげる。

 同農園の研修生6人は3月下旬から、同市沼隈町の実習ほ場約4㌃で人気のシャインマスカットやピオーネ、ニューベリーAの苗木800本を育てている。専用のビニール袋に堆肥と真砂土を混ぜて、一本ずつ苗木を丁寧に植え付けた。堆肥と真砂土の配合を変えた苗木も育てて生長の違いを観察し、今後の栽培管理に役立てる。苗木を入れた袋に効率良く潅水するための配管も研修生が新たに設置。生長とともに支柱を立てて誘引し、来年の1月から3月には高さ1㍍80㌢ほどに育った苗を、各生産者に供給してそれぞれの園地で育てる。

 同農園の園長を務めるJA福山市沼隈グリーンセンターの高田幸治次長は「マル沼ぶどうの安定生産とさらなる品質向上のため研修生が育てる苗木は重要。研修生が独立した後も習得した技術を活かして産地を盛り上げてほしい」と期待する。
(ふくやま)