広島県内農業ニュース

レンタル機導入 水稲の省力・低コスト化を目指す/鉄コーティング湛水直播栽培

2017.05.31
県内農業

 広島北部・鉄コーティング湛水直播栽培説明会JA広島北部は、JA全農ひろしまと連携して、水稲の省力・低コストの栽培体系を構築し、農業生産法人や農家組合員の経営安定を図るため、2015年から実証展示圃を設置。鉄コーティング湛水直播栽培の普及に取り組んできた。この栽培方法は、育苗・田植え作業が不要で短時間の作業が可能だ。17年度は、5戸の農家が直播栽培に取り組む。

 また、JAは、種子コーティング機器と直播専用田植機を導入し、農家へ貸し出しを始めた。直播栽培には専用の農機が必要で、導入するには機械費用の他に整備点検、修理、保険など維持管理費がかかる。JAが導入し、共同利用することで農家の負担を減らし、面積拡大を図る。

 安芸高田市内の岩倉信之さん(63)の田んぼ50アールで17日、鉄コーティング直播栽培研修会を開いた。管内の法人代表者や農家、JA関係者など10人が参加し、JA職員は播種前の圃場準備や専用田植機の性能などを説明した。施肥、除草剤、モミを落とす工程まで一度に行う専用田植機は、移植機と比べて作業時間を4割程度削減でき、一人で作業できるため、労働力も削減できる。

 岩倉さんは、今年から主食用米「あきさかり」と飼料用米「中生新千本」を直播栽培し、10アールあたりの収量は移植と同じ程度の600㎏を目指す。岩倉さんは「直播栽培の結果が良ければ来年はさらに面積を広げたい」と期待する。
(広島北部)