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ええ農ひろしま 「おいしい」が生まれる場所 Vol.2


広島大のすぐ近くに広がるアスパラガス畑。
作業の手を休めて笑顔を見せる「ファーム西田口」の皆さん

 高齢化などに伴い、農業を続けていくのが難しい農家が増えています。そこで地域の農家が集まって法人を立ち上げ、まとまった農地を協力して管理するのが「集落法人」です。共同でトラクターなどの農業機械を運用し、出荷作業を担うなど効率化を進め、農業振興を通じて地域ぐるみで古里の風景を守ろうと頑張っています。

安道啓子

 今回お邪魔したのは、東広島市西条町田口の集落法人「ファーム西田口」(65戸)。2008年、対象となるエリアの地権者全員が加入して発足しました。当初は先祖代々受け継いだ土地を共有化することに抵抗感を持つ人もいましたが、「みんなで守っていくから、と説得した」と、小池智慧登組合長(76)は振り返ります。

 14年には農業農村整備優良地区コンクール=全国水土里ネット(全国土地改良事業団体連合会)主催=で、農村振興局長賞を受賞しました。

 アスパラガス栽培に力

 現在は計約30.6ヘクタールで水稲とアスパラガス、白ネギを栽培しています。なかでも力を入れているアスパラガスは、JAを通じて市場に出荷したり、地元のスーパーに納入したりしているほか、収穫量の4分の1に当たる7.6トンは個人や飲食店が直接買いに来るそうです。「ここのじゃないと、と言ってもらえるとうれしい」と小池組合長。アスパラガスにとって良好な環境を整えるために、樹皮や果汁を搾った後の果物のかすなどを混ぜて発酵させた有機質の土壌改良資材「バーク堆肥」を使っています。与えた栄養分がとどまりやすいよう土質が変化するため、おいしい野菜に育ちます。

 アスパラガスは一度植えると10年以上も収穫でき、市場での人気が高い一方で、土壌改良やビニールハウスの設置など多額の初期投資が必要なうえ、収穫などの手間もかかります。それでも1.6ヘクタール(露地1.1ヘクタール、ハウス0.5ヘクタール=18棟)という県内最大級の規模で栽培に取り組んだのは、手取りを増やし、将来も法人を維持していくための決断。導入時にはJAから土壌改良の方法や畝の作り方など指導を受け、一緒に先進地視察にも行きました。JAは現在も三次市にある選果場への輸送を担い、経営を後押ししています。

 6年で売り上げ2.5倍に

 土づくりや温度管理など改良を重ね、昨年度の売り上げは約2,500万円。初年度(2010年)のほぼ2.5倍になりました。以前は、収穫や選別を担当するパートは法人のメンバーとその家族だけでしたが、今年5月からは法人外の地域住民7人も雇っています。雇用の創出は地域の活性化にもつながります。

 広島大のすぐ近くに位置する法人ならではの活動も。3年前から同大の学生を対象に田植えや稲刈りの体験会を開催し、同大の食堂に年間約70トンの米を卸しています。同大の農業サークルにも年間を通じて畑の一部を無償で提供しています。

 法人の拡大に取り組む


ビニールハウスで収穫作業に励む真さん(手前)と小池組合長

 広島県内に現在268ある集落法人の共通の悩みは後継者問題。ファーム西田口も例外ではありません。法人業務に携わる約40人は、組合長の孫である小池真さん(28)を除き、ほぼ全員が60歳代以上です。

 真さんは京都の大学で学び、地元に帰ってきました。東広島市園芸センターでの1年間の研修と、2年間の法人でのアルバイトを経験し、昨年4月から法人で唯一の正職員になりました。

  • 白ネギの畝に土をかぶせる機械を操る真さん。
    収穫分は全てJAを通じて市場に出荷される

  • まっすぐに伸びたアスパラガス。
    大きな親株の横から出た新芽が食用になる

 高校生の頃から春休みや夏休みには手伝いに来ていた真さん。法人を立ち上げたころ、初めてのアスパラガス栽培で要領がつかめず病虫被害に苦労する祖父を見て、力になりたいという気持ちが少しずつ芽生えたといいます。「働くなら地元でと思っていた」と真さん。現在は白ネギの責任者を務め、水稲やアスパラガスのフォローもしています。


アスパラガス専用のはさみ。
出荷に適した長さを確認できるよう
目印になる金属棒がついている

 法人の将来について小池組合長は「もう一人、孫と同世代の正職員が入ってくれたら安心なのに」と心配しますが、真さんは「そんな物好きおらんよ」と冗談を言って笑い飛ばします。一緒に作業しているパートの皆さんは、真さんについて「一見クールだけど本当は家族思いの優しいよ」「真面目で勉強家」と評価。未来の役員候補として成長に期待しています。

 真さんが掲げる当面の目標は園芸作物を増やすこと。現在の作物の内訳は水稲28ヘクタール、アスパラガス1.6ヘクタール、白ネギ1ヘクタール。市場でのニーズが高いアスパラガスや白ネギ、キャベツなどの割合を増やすことで収入アップを目指し、その先の目標である「40年、法人を維持すること」につなげていきたいと考えています。

 「収益を確保しないと人が雇えない。安い給料では人は来ない」と真さん。規模を拡大して人を増やし、経営を安定させるー。古里の風景を守るため、「もうかる農業」への転換を見据えています。

作ってみました

アスパラガスのベトナム風春巻き

 フードアナリストの平山友美さんに教わり、ファーム西田口のアスパラガスを使った料理を作ってみました。ライスペーパーがなければ普通の春巻きの皮でもOK。野菜がたっぷり食べられるヘシーメニューです。

アスパラガスのベトナム風春巻き
<材料>2人分
アスパラガス 10本
生ハム 10枚
ライスペーパー 10枚
大葉、セロリの葉、レタスなど 適量
揚げ油 適量

<作り方>

  1. アスパラガスは根元の部分だけ薄く皮をむき、3等分にする。
  2. ライスペーパーを1枚ずつぬるま湯にくぐらせて戻す。生ハムとアスパラガスを乗せて巻く。
  3. 揚げ油を180度に熱し、(2)を揚げる。
  4. 大葉やレタスなど好みの野菜に巻いていただく。お好みでポン酢や、ベトナム風のたれ(ナンプラー小さじ1、水50ミリリットル、砂糖・酢各少々、唐辛子1本)を添えてもよい。
アスパラガスのグリル風
アスパラガスのグリル風
<材料>2人分
アスパラガス 6~7本
塩、黒こしょう 少々
オリーブ油 大さじ2
パルメザンチーズ 少々

<作り方>

  1. アスパラガスは、できるだけ同じくらいの太さのものを選ぶ。根元の部分だけ薄く皮をむく。
  2. フライパンに(1)を並べて火を付ける。焦げ目が付いてきたら、大さじ1のオリーブ油を回しかける。
  3. 塩を振り、全体に転がしながら焼き、器に盛る。黒こしょう、パルメザンチーズを振りかけ、お好みで残りのオリーブ油を散らす。
アスパラとじゃがいものガレット
アスパラとじゃがいものガレット
<材料>2枚分
アスパラガス 2本
じゃがいも 大2個分
少々
バター 20グラム
カレー粉
(お好みで)
少々

<作り方(1枚)>

  1. アスパラガスは、根元の部分だけ薄く皮をむき、4等分にする。
  2. じゃがいもの皮をむき、細いせん切りにする。スライサーを使うと良い。
    そのまま水にはさらさないこと。
  3. (2)をボウルに入れ、塩をまぶす。カレー粉を入れる場合はここで一緒にまぶす。
  4. フライパンに油(分量外)をひき、火にかける。(1)を並べその上に(3)を丸く薄く広げる。ゆっくり弱火で焼いて色付いたら、裏返して焼く。
  5. 全体に火が通ったらバターを加えて溶かす。

GO!GO!ファーマーズマーケット

JA広島中央販売所となりの農家西条店

(東広島市西条中央5の8の10)


 安芸津町を除く東広島市全域と三原市大和町の農家約900軒が出荷している。これから夏にかけてはアスパラガスやそうめんカボチャ、秋は丹波黒枝豆や生ラッカセイ、発祥の地として知られる西条柿も並ぶ。冬はレンコンやサトイモなどの根菜が人気だ。

 毎月第1土曜は「産直市の日」としてさまざまなイベントを開催。旬の野菜の詰め放題や手作り豆腐の販売などがある。

 一押し商品は、縦長のミニトマト「賀茂のしずく」。ゼリー質が少なく、糖度が高い。子どもにも食べやすく、ヘルシーなおやつとして人気上昇中だ。

JR西条駅から車で約12分。
午前9時~午後7時。正月を除く毎日営業。
TEL082-431-0051。

協同組合と株式会社の違いは?

 株式会社は投資家などの株主で組織し、より多くの利潤を得ることを目指しています。運営は1株につき1票の権利を持ち、株をたくさん持っている人の思いが優先されます。

 一方、協同組合は、共通の願いを実現するために組合員で構成する組織。一人1票で運営を行い、組合員の共通の願いである生産と生活を向上させるのが目的で、利潤は追求しません。

協同組合がよりよい社会を築きます

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