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秋彼岸用の菊出荷最盛期迎える/神石高原町の冷涼な気候で色付き日持ち抜群/神石

2017.09.12
県内農業

 ふくやま・神石高原町で彼岸用の菊が出荷ピーク神石郡神石高原町で秋彼岸に向けた菊の出荷がピークを迎え、農家は毎日摘み取り作業に励んでいる。9月中旬にかけて作業は最盛期を迎える。栽培する神石高原町は標高500㍍を越え、夜温が10℃前後まで下がって昼夜の温度差が大きいため、鮮やかな色合いの花で葉は濃い緑色に仕上がる。また日持ちもいいと同町産の菊は人気が高い。

 神石高原町花卉部会の菊部会員9人が約3㌶で栽培する。農繁期を迎えた各農家は、家族総出で出荷作業に当たっている。3年前から夫婦で小菊の栽培を始めた吉見健さん(55)・元美さん(53)夫妻は、現在20㌃の畑で露地栽培する。4月から5月にかけて、赤や白、黄色の菊を定植。ヨトウムシやカメムシなど害虫防除のため毎週1回、欠かさず農薬散布を続けた。秋彼岸用に9月上旬から摘み取り作業を始めた。午前中に摘み取り、自宅の作業場に持ち帰り選別・調整。水分を十分吸収させて鮮度保ったまま「神石高原の菊」とデザインした専用の箱に詰めて送り出す。JA福山市の産直市、川口ふれあい市と神辺アグリセンター「ふれあい市」で販売する。他にも福山市の県東部花き地方卸売市場に送り、市場を通じて福山市内の生花店やスーパーなど店頭に並ぶ。吉見健さんは「先輩農家に教えてもらいながら育て、上々の菊に仕上がった。神石高原町産の菊は、特に赤色の花の色付きが抜群。菊農家が丹精して育てた鮮やかな菊を先祖に供えてほしい」と自信を見せる。
(ふくやま)