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冬ならではの逸品/寒じめほうれんそう最盛期/2月下旬まで約3㌧を見込む

2019.01.29
県内農業

 庄原・寒じめほうれんそう最盛期 冬ならではの逸品 2月下旬まで約3㌧見込む庄原市西城町で、冬季限定の野菜「寒じめほうれんそう」の出荷が最盛期を迎えている。ハウスの側面を開け冷たい空気を取り込むことで、葉が肉厚となり甘さが増していく冬ならではの逸品。出荷は2月下旬まで続き、前年並みの約3㌧を見込む。

 寒じめ栽培は、強い寒さにあたると身を守るため糖度を高めるホウレンソウの特性を利用する。形状は通常のホウレンソウと同じだが、冷気に触れさせることで、甘味が増し、あくが少なく、生のままでもおいしく味わえるのが特徴だ。

 伊藤克文さん(68)は栽培を始めて8年目。ハウス3棟、約6㌃で作業性が優れ低温伸長性のある品種「トラット7(セブン)」を栽培する。今年は、平年に比べ昼間の気温が高いため、葉が大きくなり過ぎないようにこまめに換気作業を行い、温度管理に気を配っているという。伊藤さんは「今月に入り寒さも増し、甘味のあるホウレンソウに育っている」と自信を見せる。

 同町では、直播(じかまき)栽培する特産青ネギ「ヒバゴンネギ」の後作として始まった。9月中旬以降に青ネギを播種すると、生育に時間がかかり良品の出荷が難しいため、冬場の収入源のひとつとして広まった。ほ場に残った肥料を吸収し、連作障害を防ぐ効果も期待できる。青ネギの移植栽培の普及により生産量が減少しているが、現在は7戸が約43㌃で栽培する。(庄原)