広島県内農業ニュース

【ひろしま】破棄青ネギなどでクレヨン「せとうちおやさいクレヨン」 「ヒバゴンネギ」描いて食育 果実工房(岡山県奈義町)が製造 駅やオンラインで販売

2024.12.10
県内農業

 岡山県奈義町の果実工房は、広島県庄原市のブランド青ネギ「ヒバゴンネギ」などの規格外品を原料にした「せとうちおやさいクレヨン」の販売を始めた。野菜や米を原料にクレヨンを製造する青森市の「mizuiro(ミズイロ)」、岡山県などと連携し、限定8000セットを製造。価格は1箱10色入り2200円で、岡山、広島、山口のJR主要駅やネットショップなどで販売する。
 クレヨンは、米ぬかから採れた米油とライスワックスがベースで野菜や果物、花などの収穫時に捨てられてしまう外葉などを原料に使う。自然由来の素材で環境にも人にもやさしく、子どもが誤って口に入れても安心。農産物の本来の色に近いのが特徴だ。
 「せとうちおやさいクレヨン」は、白が「れんこん(岩国れんこん)」、赤が「いちご(晴れ娘)」、黄が「レモン(瀬戸内レモン)」など原料の産地や品目名が付いている。ひと際目を引くのが、緑の「ヒバゴンネギ」だ。平野幸司代表取締役は「特徴があって産地として育てているような野菜を使った。(ヒバゴンネギは)生産者の熱意を名前に込めた」と話す。
 原料となる青ネギは、同市西城町野菜生産協議会ヒバゴンネギ部会が土耕栽培する。出荷調製で取り除く下葉や基準を満たさず破棄する約30㌔を送った。同部会の仁井慎介部会長は「子どもは野菜を色から覚えることも多い。SDGsに貢献するクレヨンで、ヒバゴンネギに親しみをもってほしい」と話した。
 せとうちの魅力と企業や生産者の想いを込めた「せとうちおやさいクレヨン」は、ジェイアールサービスネットが主催する「第3回地域を届ける。せとうちおみやげグランプリ」で、準グランプリに輝いた。