広島県内農業ニュース

【広島市】くらしの未来を考える 広島修道大学

2025.10.21
県内農業


 広島市安佐南区にある広島修道大学が、修道学園創始300周年を記念してトークイベントを9月27日、中区のひろぎんホールディングス本社ビルのイベントスペースで開催した。JA広島市管内の生産者3人が登壇し、同大学の学長と教授を交え「くらしの未来を考える~『農』が身近にあるくらし~」と題し、「農」の現状や問題点、魅力や今後の展望について語り合った。
 初めに矢野泉学長が、広島市の食の魅力や、地域の農林水産業の重要性について講演し、生産者3人がリレー形式でそれぞれの「農」との関わり合いや取り組み、地域性や生産物について話し、人間環境学部の奥田圭教授が野生動物の増加と農業の関係性について解説をした。
 安佐南区川内で伝統野菜「広島菜」などを栽培する髙西雅博さんは、都市化が進む地域での農地の守り方や広島菜の認知度向上への取り組みを紹介。同区戸山地区でルンビニ農園を経営する今田典彦さんは、中山間地域での農業について話し、「次世代につながる強い農業を創る」という創業理念や今後の展望を力強く話した。また、宅地化された西区でサツマイモやタマネギの苗の栽培やタケノコの加工を行う鍜治山直樹さんは、育ててもらった地域への感謝や食農教育への意気込みを語った。3人は「次世代が引き継ぎたくなるような農業の実践をしていく」とそろって「農」への想いを口にした。
 県北に祖父の残した田畑が放棄地になっているのでヒントを求めて参加した藤川遥さん(22)は「ためになる話もたくさん聞けたが、1番は挑戦してみようという気持ちがもらえた」と笑顔で話した。
 当日は、同JAも協力し、登壇した生産者の野菜の即売会を催し、会場を盛り上げた。
 同大学は、これからの「農」との向き合い方を考え、2027年度に農学部(仮称)の設置を構想しており、持続可能なくらしの未来を創造するため「食農科学科」「生物科学科」「環境社会科学科」(いずれも仮称)の3つの学科の設置に向け取り組み、社会に貢献する人材の育成を目指す。