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【JA庄原】育苗施設稼働率向上へ JA福山市の苗受託 県内農業支える 経営基盤強化へ

2022.06.28
県内農業

 JA庄原は育苗施設の稼働率向上に、他JAの水稲苗を受託する。組合員向けの出荷が本格化する5月上旬から播種(はしゅ)を始め、6月まで管理することでハウスの回転数を上げ、施設を有効活用。JA間連携で県内農業を支えながら、経営基盤強化に向け、営農経済部門の収支改善につなげる。

 受託するのは、県北東部で隣り合うJA福山市の水稲苗。施設の有効活用と健苗供給による良質米の生産などが目的だ。

 今年は、前年比約1.5倍の1万5300箱を受託。21年産日本穀物検定協会の食味ランキングの県南部で特Aを獲得した「恋の予感」など3品種を播種する。JA福山市の松永北支店や沼隈グリーンセンターなど6カ所へ運んだ。

 府中市上下町のJA庄原二森育苗センターでは、同町や三次市甲奴町などの組合員向けに3万3000箱を計画し、5月の連休明けには約8割の出荷を終えた。ハウス18棟の処理能力は1万7750箱だが、JA福山市分の内1万1000箱を受け入れ、ハウスを2.4回転させて効率を上げる。現場担当者が連携し、数量や日程を調整する。

 JA庄原米穀課の野津山幹文課長は「稼働率向上は、1JAでの努力には限界がある。JA間連携で価格を抑え、組合員サービスの維持と地域農業の振興につなげたい」と話す。