食農教育

JAグループ広島の食農教育

JAグループ広島が目指す食農教育

 JAグループ広島が進める食農教育の根本は、 「こどもたちに、農の営みを通して“いのち”の大切さを伝える活動」です。 土づくりを行い、種をまき、作物の“いのち”を育てるー。 そして、人間が生きていくために、作物の“いのち”を絶つー。 “いのち”を生む営みから“いのち”を絶つ営みまでの様々な営み、それこそが農の営みです。 人間が農作物の“いのち”をいただいて生かされているということを、特に次世代を担うこどもたちを中心に伝えていかなければなりません。

“いのち”の大切さを実感し、心から「いただきます」と言って食することができる、
こどもたちを育てたい。

それがJAグループ広島が目指す食農教育です。

食農教育とは

 食と農と地域と自然環境の関わりを重視し、食料を生産する「農」の役割や重要性を理解・体験することに主眼をおきながら、 「食」と「農」のつながりを実感し、学ぶ取り組みです。

JA食農教育のテーマ「食と農・地域とJAの結束」と「地産地消推進・農業体験実施」地域のこどもたちをどのように育てていくのかを明確にし、それに対して考え、実践します。広島県の豊かな農業が、こどもたちを支援します。

7つを伝えます。農業のすばらしさを伝えます。家族の絆を伝えます。健康の大切さを伝えます。生活の知恵を伝えます。自然の偉大さを伝えます。食べる楽しさを伝えます。地域の文化を伝えます。

学習活動

 豊かな暮らしを支える食と農の結びつきを深めることを大前提にした5つのテーマ(領域)と、3つのターゲット(実践の場)を掲げています。この5つのテーマに基づき、実践の場である、家庭、学校、地域においての活動を具体化・体現化して取り組んでいきます。

JA食農教育のポイント「暮らしに身近な農業」「農業体験学習」「地産地消と学校給食」「食文化の継承」「都市と農村の交流」いのちの大切さを、こどもたちへ伝達

テーマ1 暮らしに身近な農業
遊休農地の活用策として期待も高い体験農園、家庭菜園などで、日常的に農業に触れる機会を提供します。農作業の体験で終わることなく、こどもたちや家庭の食行動を変えてゆく視点を持たせることが大切です。
テーマ2 農業体験学習
食と農の物理的・心理的距離を縮めるために、学校での総合学習の時間、食教育の時間、地域の産業を学習する時間などの様々な支援を行います。また、学校外での農業体験学習機会の場の提供も必要です。
テーマ3 地産地消と学校給食
地産地消のメリットを生かして安全・安心・新鮮な地域食材を学校給食に供給することによって、"そだてる、つくる、たべる"の一体的学習に貢献し,教育的意義を高めます。また、ファーマーズマーケットから地域の食材を家庭に供給することでも食と農の結びつきを深めます。
テーマ4 食文化の継承
地域で晴れの日の食事として引き継がれてきた行事食や郷土料理など、それらの伝承へのこだわりは地域食材や風土・食・農につながるこだわりです。子育て世代が伝えることが難しい食文化を、生産者を含め、地域の高齢者などの協力を得て、積極的に取り組みます。
テーマ5 都市と農村の交流
体験型修学旅行やグリーンツーリズムなどのニーズの高まりを背景に、「食農教育」の視点から体験型の遠足を通じて広島県内の農業や環境について学んでもらう取組みです。JAの旅行事業を活用するなどして、農畜産物の生産から流通、消費地までのプロセスを教えます。

未来に向けて

 食を支える農業があらためて評価されている今こそ、食と農の距離を縮め、地域の食文化や食・農・命の大切さを伝えていきます。

食を支える農業の再評価

 昭和30年代頃まで、地域では地産地消が当然のように実践されていました。
しかし、今では、流通の発達、農業構造の変化、消費者の嗜好の変化などで、食と農の距離が遠くなり、地域の食文化や食・農、さらには命の大切さえも伝わりにくくなっている状況です。 特に、風土に根ざした食の衰退は、食習慣や食生活様式の変化に見られ、こどもたちの欠食、分食、孤食、個食といった心身の健康に影響を及ぼす原因として表面化しています。 その一方で、食の安全・安心を望み、食文化の継承を評価する消費者の声が高まっているのも確かです。『食育基本法』の制定、食品関連企業の食育活動などから、社会全体で、食生活を見直そうという機運も高まり、食を支える農業の再評価がはじまっています。 JAは、農業・農村に基盤を置く組織です。『食育基本法』第11条で記されているように、多様な体験の機会を積極的に提供し、食育の推進に関する活動に努めなければなりません。あらためて、"食"のあり方と"食"に果たす農業・農村の役割を学び広めることを基本に据えて、JAならではの「食農教育」に積極的に取組むことは、地域におけるJAの役割であると考えます。

“そだてる、つくる、たべる”一貫した流れを網羅するJAの「食農教育」で、食・農の意識・行動をもう一度見つめ直して下さい。「JA食農教育」が伝えたいこと将来を託すこどもたちの、健全な心と身体をはぐくむため、広島県の豊かな自然と農業の営みを通して“いのち”の大切さを伝えます。