広島県内農業ニュース

新ショウガいよいよ出番

2014.10.07
県内農業

 福山市駅家町服部雨木地区の駅家生姜(しょうが)生産部会の6戸は、9月下旬から特産の新ショウガの出荷を始め、収穫や洗浄、パック詰め作業などに追われている。

 2014年産は、定植時期の5月に雨が少なく、高温が続いたため生育を心配したが、梅雨明け以降は適度な降雨があり気温も例年並みに推移し順調に生長。

 9月に入り昼夜の気温差が大きかったため大きさ品質ともに上々の出来で、収穫が昨年より1週間早まった。


収穫したショウガは、同地区の共同選果場で洗浄選別した後、150㌘のパックに詰め、生産履歴が確認でき安全・安心な福山産農産物の印「ふくやまSUN」マークのシールを貼り、地元福山市場へ出荷。出荷作業は10月中旬にピークを迎え、11月下旬まで続き、昨年より1㌧多い、約5㌧を見込む。


同部会のショウガは、繊維質が少なく、適度な水分を含んでまろやかな辛みがおいしいと市場でも人気が高い。
同地区でのショウガ栽培は50年以上の歴史がある。ピーク時には15戸の生産者が200㌃で栽培していたが、高齢化と連作障害の影響を受け、生産者と栽培面積は年々減少。地域に残る伝統野菜を後世につなげようと、生産者は地域再生復活に向けて栽培を続けている。


 新規に栽培を始めた三島一巳さん(65)は「昨年は4㌃で栽培。おいしかったと好評だったので今年は栽培面積を増やし10㌃にした。多くの人にみずみずしい新ショウガのおいしさを味わってほしい」と笑顔で話した。


 生産部会の梅田祐伸部会長は「今年は水の管理にも努めたので特に出来がいい。新ショウガは、甘酢漬けや佃煮にすると歯ごたえと香りを楽しめるので、寒くなるこれからの時期は特におすすめ」と自信をみせる。
(ふくやま)