広島県内農業ニュース

年末の風物詩 県産葉付ミカンのセリ

2014.12.26
県内農業

 青果市場では年末の風物詩となっている県産葉付きミカンのセリが行われた。広島市中央卸売市場では古くから25日がセリ日となっており、今年最後の止市を前にイベント的なせりが行われる。

 葉付ミカンは県内では天文年間に栽培が始まったとされる歴史あるカンキツで、正月用の鏡餅や注連縄のお飾りに使われる縁起物だ。約40グラムの小さな果実の中にたくさんの種が入っていることや、一本の木に千個以上の果実を成らせることから子孫繁栄を願って飾られるようになったとされる。入荷したJA呉やJA尾道市の果実7トンは威勢の良い呼び声でセリ落とされ、キロ当たり390円で取り引きされた。

 JA広島果実連の下岡正次長は「県産のカンキツでは最も古い歴史がある。わが国の伝統や文化を継承する意味でも幅広く売り場を確保し、お飾りの風習を伝えたい」と話す。                                                                           (南部)