広島県内農業ニュース

春の到来を告げるタラの芽が出荷最盛期迎える

2015.02.10
県内農業

ふくやま・タラの芽出荷最盛 神石郡神石高原町で唯一タラの芽を育てる川﨑勉さん(78)と安子さん(76)夫妻は、ビニールハウス内の温度と湿度を管理して発芽を促すふかし栽培に励んでいる。10年前は10戸あった生産者も高齢化に伴い、今は川﨑さん夫妻だけとなった。

 10㌃の畑で約1000本のタラの木を管理し、一本の木を25本から30本の穂木に切り分ける。電熱線を敷いた水槽に穂木を並べて水温と水の管理を徹底すると、約1カ月で芽が出る。赤芽を防ぐため、ビニールハウスの内側には、遮光幕を設置。2014年12月上旬に伏せこんだ穂木は、年始の寒波の影響で生育を心配したが、例年通り発芽が進んだ。

 出荷最盛期を迎えているタラの芽は、重さで2Sから2Lまでの5つの規格に分け、1パック50㌘に調整。1月中旬の初出荷では1日当たり200パック、1月下旬には270パックを福山市場へ送り出した。出荷作業は3月中旬まで続く。

 今年産は昼夜の寒暖の差が大きかったことを受け勉さんは「天ぷらや白和えなどの業務用で需要の多い8㌘前後のLサイズが多い。多くの人に食べてもらい、春の息吹を感じてほしい」と笑顔で話した。
(ふくやま)