広島県内農業ニュース

東広島市の農事法人うやま アスパラガス念願の初出荷

2015.04.08
県内農業

広島中央・法人うやまアスパラガス初出荷 東広島市河内町の農事組合法人うやまは、アスパラガスの初出荷を迎え、収穫作業に追われている。2014年6月に定植し、およそ1年かけて株を育成させた。40㌶の集積面積で水稲や飼料用米、ソバと麦の二毛作を中心に経営を手掛けてきたが米価収入が落ち込む中、手取りを確保し、経営の複合化を図ろうとアスパラガスを導入。アスパラガスの作付面積は1.1㌶で、うち55㌃はビニールハウス8棟で栽培する。JA広島中央への出荷は、10月まで続く見通しで、初出荷の2015年度は10㌧の出荷を目指す。
 組合員の高齢化を懸念し、労力の軽減を図ろうと、防除やかん水などの施設や機械導入に投資した。地下でポンプアップした水を廃校になった小学校のプールに貯め、パイプで送るかん水設備は、施肥をタイマーで自動制御できるようにした。地中管で水をしみ出す暗渠(あんきょ)排水の施設も整えた。畝を約40㌢に盛り上げた高畝にし、水はけと根張りを良くした。
 アスパラガス導入をきっかけに、国の「農の雇用」制度を活用し、地元の天野尚充さん(41)と広島市から移住した元﨑憲一郎さん(46)を専属担当者として雇用した。天野さんは、昨年から東広島市園芸センターや近隣法人で栽培ノウハウを学んだことを生かし、栽培管理と作業員の指導に当たる。法人メンバー12人に加え、地区外からも10人雇用する。
 3月29日には出荷式典を開き、鏡開きやテープカットで初出荷を祝った。法人の東一孝組合長は「栽培を起動にのせて面積を増やしていき、県内一の産地を目指したい。アスパラガスを起爆剤にし、地域の活性化にもつなげたい」と意気込む。
(広島中央)