広島県内農業ニュース

失敗通じて考える力を身につける農業高校の特色生かしたSSHの取り組み

2015.07.28
県内農業

 広島中央・スーパーサイエンススクール文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校である県立西条農業高校3年食品科学科食品分析班の3人は、脂肪を分解する(抗肥満活性)物質を多く含むかんきつ類や野菜を探索する研究をしている。

 広島県はかんきつ類の生産量が多く、かんきつ類と生活との関わりが深いことに着目し、1年をかけて研究に取り組む。実験では、色々な果皮・果実の抽出液がどの程度、脂肪を分解するかを比較する。減圧濃縮装置にかけたラズベリーの果皮のアルコール抽出液を乳脂肪に垂らし、分解する力を観察した。今後は実験結果を踏まえ、これらの食品を用いた菓子類などの加工食品づくりに挑戦する予定だ。

 河村萌香さん(17)は「思い通りにならないこともあるが、発見が多く楽しい」と笑顔を見せる。武田智教諭は「結果がでるまで根気が必要な実験が多いが、失敗から学び、考える力を身につけてほしい」と話している。

 同校は、科学技術系人材の育成のため、独自のカリキュラムによる授業や大学・研究機関などと連携し、地域の特色を生かした課題研究など、積極的に取り組んでいる。

(広島中央)

トメ