広島県内農業ニュース

柿の出荷がスタート/福山市・松永果樹園芸組合柿部会

2013.10.16
県内農業

 福山市の松永果樹園芸組合柿部会の生産者は、9月下旬から一帯に広がる柿の園地で生産者が収穫作業に励んでいる。

 県内一の富有柿の生産量を誇る同部会は、同市本郷町と金江町を中心とする生産者37人で構成。昨年は1万5000箱、110トンを地元福山市場や広島市場などに出荷し、食味の良さと良品質で好評を得ている。

 部会では、早生品種の「西村」や「早秋」をリレー出荷し、10月下旬から「富有柿」の収穫を始める。今年は夜の気温が下がらず色付きが遅れているものの、生産者が病害虫の予防と園地管理を徹底したため、玉太りよく糖度が高い柿に仕上がっている。

 本郷町の園地230アールで約700本の柿を管理する佐藤康夫さん(52)も、収穫作業に精励。昨年4月から甥の乗兼大知さん(24)が就農したため、「心強い仲間が増えてうれしい。少しずつ勉強してもらいたい」と喜んでいる。佐藤さんと乗兼さんは、早朝から園地で収穫に励み、自宅で選果。品質をチェックしたものを5キロ箱に詰め、直接青果市場に出荷している。「富有柿」の出荷が始まると、JA福山市本郷選果場に搬入し、選果機で選別。その後、5キロと10キロ、贈答用の3キロ箱に分け、福山市場や広島市、三原市の市場に送り出す。

 乗兼さんは「いつもおじさんが送ってくれる柿を楽しみにしていたが、これほど苦労して作っているものなんだと、大変さを実感した。より多くの仕事を覚えて、戦力になりたい」と収穫に汗を流す。

 同選果場では11月中旬から即売も始め、特産の富有柿を求めるファンでにぎわう。

(福山市)