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【JA庄原】次世代農業人材育成に力 最新機器・経営視点学ぶ 地元実践者が講師 県立庄原実業高校

2022.10.14
県内農業

 県立庄原実業高校は、情報通信技術(ICT)や経営視点を取り入れた授業を本格的に進める。地元の産学官との連携で、より実践的な授業を展開し、農業分野で活躍する人材育成システムを構築。2023年までに、就農可能率15%、県立農業技術大学校への進学者数7人などを目標に、次世代の農業を担う人材育成に力を入れる。

 同校は、21年度に文部科学省が始めた「マイスター・ハイスクール(次世代地域産業人材育成刷新事業)」に認定された。県立広島大学や庄原商工会議所、行政などと地域の将来に必要な人材を提言。スマート農業を実践する庄原市の企業が、授業でドローン(小型無人飛行機)などの最新機器や農業技術を伝授する。

 9月下旬には、水田2カ所約27㌃で衛星測位システム(GPS)機能が付いたコンバインを実演。収穫量モニターや収穫量マッピング機能、自動ロス制御システムなどの最新技術に触れた。生物生産学科2年生の寺迫胡桃さん(16)は「授業で最新機械を学ぶことができる。楽しいし、農業のイメージが変わった」と話した。

 農水省の農林業センサスによると、同市の20年の総農家数は3695戸と15年で約6割に減少。販売農家は65歳以上が7割を占め、担い手不足が深刻さを増す。

 今後は、同大学などと最新機器を使った共同研究も予定する。農場長の板垣哲司教諭は「産学官連携で先進技術に触れ、農業を広く、深く学ぶことができる。貴重な経験を地域の担い手として生かしてほしい」と期待する。