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【JA広島果実連】秋の叙勲 旭日小綬章 川田洋次郎会長

2022.11.08
県内農業

 果樹産業の振興と発展に向けて長年尽力してきたJA広島果実連の川田洋次郎会長(70)が3日、旭日小綬章を受章した。日本園芸農業協同組合連合会の会長も兼務する川田会長は常に現場に身を置き、継続の重要性を呼び掛けている。

 県老舗カンキツ産地の大規模生産者でもある川田会長。33歳で現JA広島ゆたかの理事に就任し、早くから持続可能なカンキツ産地の重要性を認知し、自ら実践してきた。2001年には、広果連の代表理事に就任。生産者の再生産価格を維持すべく、生産、販売の両面から産地をけん引してきた。生産面では果樹の連年安定生産に向け、品種の育成や産地への導入にも専門的見地から参画。県発祥のミカン品種「いしじ」の振興や「広島レモン」のブランド化に取り組んだ。また、産地JAや行政と協力して12年に呉市、15年には福山市に、後継者を育成するための「広島県果樹農業振興対策センター」を開設。栽培指導を担う技術員制度の充実にも努めた。

 販売面では市場や店舗との信頼関係構築に向け尽力。全国の青果市場に出向き、産地の現状を伝えながら販売協力を呼び掛ける他、果実の新商品開発や異業種とのコラボなども積極的に進めている。また、販売スタッフの育成にも注力。若手栽培指導員を販売責任者として抜擢。中核の市場に駐在させて成長を促すと共に活躍の場を演出している。

 川田会長は「長年継続してきた取り組みが実を結びつつあることを実感している。全ての関係者に感謝し、果樹産業の更なる振興に向けて尽力したい」と話す。