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【JAひろしま】土地活用へ和牛放牧 二毛作で長期間 飼養管理省力・粗飼料安定確保 農事組合法人かみやま

2023.05.01
県内農業

 三次市三和町の農事組合法人かみやまは、水田や転作田での和牛放牧に力を入れる。管理する8頭を3~11月の約9カ月放牧する。転作田を活用して飼料作物を二毛作し、安定的な粗飼料の確保で良質な和牛生産と飼料作物生産の労力軽減につなげる。
 
 同法人は、2002年に設立。38戸が加入し、1.6~33.3㌃の200筆以上を管理。酒造好適米「八反錦」や主食用米「コシヒカリ」、稲発酵粗飼料(ホールクロップサイレージ=WCS)などを栽培する。設立当初から、取水が不便だったり、鳥獣被害を懸念したりする水田や休耕地の有効活用に取り組む。行政やJAひろしま三次地域本部などに相談し、市内の先進畜産農家を視察。07年、同市農業振興協議会が耕畜連携で独自に奨励する水田放牧に決め、和牛5頭を導入した。
 
 放牧は二毛作にこだわる。二毛作する転作田は、5月に「青葉ミレット」、9月に「イタリアンライグラス」をそれぞれ10㌃当たり約4㌔播種し、6~11月に放牧。水田は稲刈後、9~10月に不耕起で「イタリアンライグラス」を10㌃当たり約4㌔播種し、3~5月に放牧。約1㌶の牧草生産に比べ、機械作業も少なく省力化につなげる。
今年は3月に7、8歳の雌牛4頭を水田に放牧し、担当者4人が柵や水の管理、牛の健康チェックを毎日行う。JAや県の担当者も巡回し、健康状態などを確認する予定だ。
 
 同法人の住川正就代表理事は「二毛作の長期放牧で、農地の有効活用と飼料管理の省力化ができ一石二鳥。夏の暑さや家畜伝染病に気を付け、牛を管理したい」と話す。