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どぶろく造りに力注ぐ 『油木のしずく』で地域活性化目指す 西城町高原芳典さん 

2019.01.08
県内農業

 庄原・どぶろく造りに力注ぐ 『油木のしずく』で地域活性化目指す庄原市西城町の高原芳典さん(71)は、同市が国の構造改革特別区域に認定されるどぶろく造りに力を注いでいる。高齢化が進み、住民が減り続ける地域の特産品にしようと2018年6月に酒類製造免許を取得。地区名を入れた商品「油木(ゆき)のしずく」で地域の活性化を目指す。

 50歳でUターンし、長年、営農組合の代表として小学校の食農教育に携わってきた高原さんは、減少する児童や増える耕作放棄地に危機感を募らせていた。そんな中、15年11月に市がどぶろく特区に認定された。かつては町内でも酒造りが行われ、興味のあった高原さん。説明会に参加し、製造を決意。「新しい事に取り組まなければ地域が衰退し、ますます若い人が帰って来なくなると感じた」と振り返る。

 16年に酒造技術研修、17年に酒類販売管理研修を受講し、製造場として、所有する農業倉庫の約16平方㍍を改修した。昨年10月下旬からは、約65㌃で栽培した「ひとめぼれ」を用いての醸造が続く。

 仕込みは、初添え・仲添え・留添えと3回に分ける三段仕込みを取り入れ、今年度は約200㍑の醸造を計画。運営する加工所「ゆうき市」や近くのひろしま県民の森などで取り扱う。

 高原さんは「品質を安定させるための温度管理などの作業は大変だが、どぶろくを通じて多くの人に油木を知ってもらいたい。将来は、特産品にして地域の起爆剤にしたい」と作業に力を入れる。(庄原)