広島県内農業ニュース

もち麦を導入/広島県東広島市 下三永農事組合法人

2019.11.21
県内農業

 広島県東広島市の下三永農事組合法人は、もち麦の栽培に乗り出した。需要が高く、収益性が見込める作物への転換で、経営の安定化を図る。2019年度は6.7㌶で作付け、出荷量10㌧を目指す。

 同法人は2013年に設立。約36㌶で、水稲29㌶、野菜20㌃を栽培する。設立当初から水田転作作物として六条大麦の「さやかぜ」を栽培してきたが、販売単価が低いのが課題だった。2018年度に米の直接支払交付金が廃止され、転作作物での収益確保を摸索。健康志向の高まりで需要が増えているもち麦に着目し、2018年に24㌃で試験栽培した。栽培管理が「さやかぜ」とほぼ変わらず、梅雨入り前の6月中旬に収穫でき、水稲栽培に影響しにくいことから、2019年はもち麦に全て切り替えた。

 品種は「キラリモチ」。機能性成分のβグルカンの含有量が通常の大麦品種の1.5倍多く含み、血中コレステロールを下げる働きがある内臓脂肪面積の低下作用が報告されている。

 11月中旬には種をまいた。大型の播種機で種と肥料を播き、除草剤を同時散布して覆土した。6月中旬に刈り取り、JA広島中央に出荷する計画だ。

 法人代表の高尾昭臣さん(75)は「単価の高い転作作物に切り替えることで稲作中心の経営を安定させたい」と意気込む。

(広島中央)