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【JA庄原】クロモジで地域活性へ お茶と加工原料提供で みねた特産品生産組合

2022.05.31
県内農業

庄原市(しょうばらし)のみねた特産品生産組合は、クロモジで地域活性化を進める。人口減が続く地域を盛り上げようと、グループ「庄原黒文字の郷」を2017年に結成して5年。茶葉の製造・販売から始めた活動は、パンやジェラートなどの原料で提供するなど、地域と連携した取り組みに広がる。

 16年に自治振興区で、アンケートを実施。地域に多く自生し、健康茶としても知られるクロモジに着目し、鳥取県日南町(にちなんちょう)などを視察。長期的な安定生産に、遊休農地や畑などにクロモジを植えた。

 メンバーは山林や畑などで枝を採取。新芽や若葉を一枚一枚摘みとり、5分程蒸して1週間自然乾燥させる。作業は、同組合芍薬(しゃくやく)部会、地域住民が協力する。

 全て手作業で、味や香りが際立つよう茶葉の作り方に手間を惜しまない。若茎も乾燥させ、煎じて飲む「枝茶」用に加工する。

 19年に原料としての活用を検討。20年は、同市西城町(さいじょうちょう)の牧場でアイスクリームを作る「グリーンフィールド」の協力で、クロモジジェラートを製造。21年は、菓子屋と連携してクロモジ入りの食パンやシフォンケーキを販売した。
 代表の矢倉義昭さん(71)は「鼻から爽やかな香りが抜け、まろやかな口当たりの茶葉に仕上がった。歳を重ねても持続できる体制を整え、クロモジで地域と消費者を笑顔にしたい」と話す。