広島県内農業ニュース

【ひろしま・広島中央】「吉原ごぼう」産地復活へ東広島市豊栄町の神村振興会

2023.12.05
県内農業

 東広島市豊栄町の吉原地区特産の「吉原ごぼう」の産地を復活させようと、地元農家が奮闘している。今年は農家10戸が栽培し、神村振興会野菜部会の3戸がJAひろしまの産直市などに出荷。イベントやマルシェに参加するなどして地域とゴボウの知名度向上にも力を入れる。
 「吉原ごぼう」は「吉原石」と呼ばれる花崗岩(かこうがん)が風化した土壌で作る。その土壌がゴボウ栽培に適しており、栽培できる範囲は同地区でも限られている。「吉原ごぼう」は、肉質が柔らかく、香りが高く、えぐみが少ないのが特長。
 明治から栽培が始まったとされ、50年ほど前には地元で生産部会を立ち上げ、10戸ほどが生産していたが、高齢化で生産が減少。その中で、1戸が出荷を続けてきた。地域の特産を絶やさないよう、神村振興会の迫真治代表が、2020年から会員に「吉原ごぼう」の栽培を呼び掛け、市が保有するふれあい神村センターをJA産直市向けの集荷場にして出荷体制も整えた。「吉原ごぼう」は、出荷基準やラベルシールを統一して出荷する。
 同町の田中雅芳さん(75)と娘の川﨑理恵さん(41)は休耕地を借り、2年前に「吉原ごぼう」の栽培を始めた。栽培経験のある地元のベテラン農家に技術を教わり、試行錯誤で栽培する。今年は4㌃で栽培。10月下旬から収穫を始め、来年2月までJA産直市「とれたて元気市となりの農家店」などに出荷する予定。飲食店や加工用などの引き合いも強い。川﨑さんは規格外を「ゴボウ茶」に加工もしているが、今作は予約分だけで販売が終了するほどの人気ぶりだ。川﨑さんは「吉原でしか作れないゴボウを多くの人に知ってもらい、地域活性化にもつなげたい」と話す。