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【南部】濃厚な甘味が人気「カラマンダリン」出番

2024.04.09
県内農業

 独特の濃厚な甘味があるカンキツ「カラマンダリン」の出荷が始まった。広島市中央卸売市場では4日に初入荷した。JA広島ゆたか大長選果場管内で古くから栽培されている特産で春に旬を迎える晩生品種。1935年にカリフォルニア大学で温州ミカンと「キングマンダリン」を交配させて育成され、国内には55年頃に導入された米国由来のカンキツだ。温州ミカンと同等の大きさで皮が剥きやすく薄皮ごと食べられるため、晩生ミカンから売場を継承する形で販売されている。一方、熟期が遅いため寒波や鳥獣害のリスクがあり年々栽培が難しくなっている。
 JA広島果実連がセリ前の果汁分析を行い、糖度15を超えていることを集まった市場関係者にアピール。
 入荷した1.6㌧のうち、上位等級品は1㌔540円で取引された。JA広島ゆたかの森岡幸雄課長は「夏場以降の暑さが厳しかった分、品種ならではのコクのある甘味に仕上がった。暑さ寒さを乗り越えて出荷した生産者の負託に応えられるよう販売したい」と話す。
 4月末まで出荷され県内全体で平年並みの40トンの生産量を見込んでいる。