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【ひろしま】「火傷病ショック」 花粉輸入停止に対応 剪定枝・ミツバチなど活用 果実授粉方法確立へ 県立庄原実業高校

2024.04.30
県内農業

 県立庄原実業高校は、火傷病発生に伴う中国産の梨花粉の輸入停止を受け、新たな授粉方法の確立に乗り出した。剪定(せんてい)枝やミツバチなどを活用。地域資源を有効利用して持続可能な農業の実現を目指す。
 同校では、園芸流通類型の2、3年生が中心となり、露地10㌃で「幸水」「あきづき」「新興」など9品種を栽培する。2018年にはアジア版農業生産工程管理(ASIAGAP)認証を取得。21年から「二十世紀」を香港に輸出する。
 従来、授粉作業は中国から輸入した花粉を使っていた。昨年7月に中国で火傷病の発生が確認され、8月に輸入が停止された。課題解決型学習に参加する生徒らが、輸入花粉の代替や授粉率の向上を検討した。
 開花が早い「愛宕」や「新高」などは「豊水」の剪定(せんてい)枝を利用した。採取した枝をハウスで加温して開花を促進。開いた花から花粉を採取して、授粉作業に使った。授粉率向上にミツバチも導入した。三次市の養蜂農家の協力で、園地に縦55㌢、横45㌢、高さ61㌢の巣箱を設置。一部品種で剪定枝を開花期まで残し、約2万匹のミツバチの活動を促した。
 岸本一郎教諭は「生徒と一緒にさまざまな授粉方法を試み、着果が安定する仕組みを整えたい」と話した。