第29回JA広島県大会〜組合員とともに自己改革で未来を創る

JAグループ広島の取組方針

取り組み事項2

持続可能な食料・農業生産の確立

1. 農業者と共有する所得向上目標および販売品取扱高目標の設定

1農業者と共有する所得向上目標の設定

農業者の所得増大に向け、生産現場の実態をふまえた「農業者と共有する所得向上目標(数値目標含む)」を設定し、所得向上目標の達成に向けた「具体的な取り組み」と「質の高いKPI」を定めて取り組みます。

「所得向上目標」は、主要な生産者(JA設定の担い手類型における対象者、アプローチリストや出向く活動の対象者等)を対象に、以下の観点より数値目標を設定します。

  • 生産数量の増加(反収の向上・生産面積の拡大ほか)
  • 販売単価の向上
  • 生産コストの低減(労働生産性向上、生産トータルコスト低減を含む)
農業者の所得増大に向けた実践イメージ

2JAグループ広島全体での販売品取扱高目標とシェア目標

「販売品取扱高目標」および「シェア目標」は、JA営農振興計画等をふまえて県域実施計画において定め、地域農業をリードする担い手経営体や地域・農村を支える多様な農業者による生産振興の取り組みを支援することを通じて、JAグループ広島の販売品取扱高の向上をめざします。

2. 県域における実施計画

1JA域を越えた販売力・生産力向上への取り組み

  • 「1県1農場」への包括的取り組みから、「JA域を越えた販売力・生産力強化に向けた具体的取り組みの高度化」にシフトします。
  • JA域を越えた生産・販売の取り組みの対応方向として、「需要の創出」「生産の拡大」「体制の整備」「営農指導体制の構築」「食の安全・安心対策の強化」の視点から取り組みをすすめます。
JA域を超えた販売力・生産力向上の取組イメージ

2直販体制の強化と実施方策

①実需者への直接販売の強化

実需者ニーズに応じた低コスト生産や多様な契約の拡大、加工業務用向けの取り扱い拡大等、実需者への直接販売を強化します。

②JAファーマーズ・マーケット等を通じた地産地消の促進

JAファーマーズ・マーケットを「地産地消を基本とした販売拠点」として位置づけ、JA域を越えた取り組みとの連動をはかりながら、販売力・生産力の強化に取り組みます。また、新たな出荷者の掘り起こし等に取り組みます。

③JAファーマーズ・マーケットの運営改善等

JAファーマーズ・マーケットの事業収支の改善に向けて、企画部門を中心とした部署横断的な連携による営農・販売体制を構築するほか、小規模店舗を中心に店舗の再編・運営改善に取り組みます。

JAファーマーズ・マーケットを通じた地産地消の促進のイメージ

3新規就農者の確保と育成支援

①新規就農者育成に向けた一貫した支援体制の整備

行政等関係機関と連携し、就農までの一貫した支援や、規模拡大志向の農業者支援が可能となる体制を整備します。

②多様な担い手の育成

行政と連携のうえで、農業プラスアルファの生活スタイル「半農半X」などの地域を支える多様な担い手の育成・定着の支援に取り組みます。

③女性農業者の育成支援

女性農業者が農業現場で活躍できる働きやすい環境・体制整備を支援します。

④次世代への事業継承支援

農業従事者の高齢化や世代交代をふまえ、確実に農業経営が次世代に引き継がれるよう、農業者の事業承継に積極的に取り組み、担い手の育成・確保をはかります。

JAグループ広島による新規就農者の支援体制(イメージ)

3. JA営農振興計画の策定

1JA営農振興計画の策定

引き継ぐべき農地を確実に担い手に結びつけ、持続可能な地域農業を確立するため、基礎となる「担い手支援台帳」や「品目別の生産者台帳」の整備に引き続き取り組み、生産者と結びついたJA営農振興計画づくりをすすめます。

なお、取り組みにあたっては、担い手の農地等の現状把握と幅広い営農支援策の実践を通じ、次世代の担い手を確保する全国の「次世代総点検運動」と連動してすすめます。

次世代総点検運動の全体像・すすめ方イメージ

4. JA営農振興施策の展開

1地域の特性を活かした生産振興の取り組み

地域の特性を活かした持続可能な生産振興に取り組み、農業者の所得増大をはかります。

2農業経営管理支援によるコンサル機能の発揮

担い手の高度なニーズに応える総合事業体の強みを活かした事業改善提案を行うため、JA農業経営コンサルタントの資格取得者の育成を行います。また、JAの体制整備や担当者の育成等、県域のサポート体制を整備します。

JAグループ広島の農業経営管理支援の取り組み

3生産トータルコストの低減

機械の共同利用や農作業受託、肥料の共同購入、生産者の声を反映した農機の共同購入(トラクタ)、担い手直送規格などによる生産資材価格の低減等、生産トータルコスト低減に引き続き取り組みます。また、農作業省力化や農作業の労働生産性向上を支援します。

4環境負荷に配慮した農業の確立

「みどりの食料システム戦略」の実現に向けた新たな法的枠組みや政策支援等をふまえ、行政等関係機関と一体となって、持続可能で環境負荷を低減する農業生産の実践をすすめます。
具体的には、地域の実情に応じて、適正施肥、耕畜連携による飼料用稲WCSや飼料用米の生産・利用拡大、生産資材の効率的利用などによる地域循環型農業の実現に取り組みます。

5農業・地域における自然災害への備え

気候変動や異常気象に強い栽培品目・品種、耐候性ハウスの導入など減災の取り組みや、災害発生に備えた対策の周知、保障の提供に取り組みます。
また、災害発生時のマニュアル等の整備、行政との連携協定の締結など、災害発生時に迅速な対応・復旧が行えるよう体制を整えます。

6農業労働力支援による農業生産の維持・発展

農業労働力支援に向けた情報共有や共同事業の実践等のため、県域において農業労働力支援に関する協議会を設置し、関係機関が連携して取り組む体制を整備します。
農業労働力不足の深刻化をふまえ、農作業受託、職業紹介事業、求人WEBサイト、援農ボランティア、農福連携を取り組みの施策と位置づけ、多様な農業労働力の確保に取り組みます。

7JA出資型農業法人等を通じた担い手の育成・支援

農作業受託等による農業労働力の供給や圃場の利用調整をすすめるため、担い手の育成・支援や地域の農地の維持・利用増進を行う手段として、JA出資型農業法人やJA本体による農業経営に取り組みます。
また、新規就農者の研修や従業員の育成と独立支援を通じて、新たな担い手の創出に取り組みます。

JAグループ広島における農業労働力確保・支援の取り組み方向イメージ

8地域農業をリードする担い手への対応強化

担い手が有する高度なニーズに応えるため、TAC担当者、事業間連携の責任部署を明確化、連合会・中央会と連携した事業間連携による「出向く活動」「総合事業提案」「農業経営管理支援」を強化し、担い手経営体の満足度向上と事業利用の拡大に取り組みます。

9生産履歴記帳の徹底等による食の安全・安心対策の強化

生産履歴記帳支援システムの普及をすすめます。また、GAPを営農指導の基礎と位置付けて、GAPの理解促進やJGAP指導員の資格取得など、GAP推進体制の整備とその実践に取り組みます。

10都市農業の振興

都市農業の多面的機能の発揮とその理解促進に取り組み、都市農業の振興と良好な都市環境の形成を支援します。また、組合員の都市農業にかかる相談に対応できる体制を構築し、都市農業における次世代の後継者の確保に取り組みます。生産緑地制度が導入されていない行政に対し、その導入を働きかけ、意欲ある担い手が営農を継続できる環境整備に取り組みます。

11鳥獣被害対策

深刻化する鳥獣被害の削減に向け、ICTを活用した捕獲等の最新技術の普及に取り組みます。また、鳥獣の個体数削減の取り組み強化に向けた体制整備など、抜本的対策を県等へ求めます。

12JA人材育成・体制づくり

組合員満足度の向上に向け、ICTの活用等も含めた事務プロセスの改善による効率化や、総合事業の強みを発揮できる効率的な営農センター・購買店舗の体制をめざすとともに、担い手の高度なニーズに対応できる営農指導員の育成、増員に取り組みます。


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