広島県内農業ニュース

【広島市】地元のブランド果実を学ぶ 古田小学校いちじく学習

2025.07.29
県内農業

 広島市西区の広島市立古田小学校4年生88人は、約200年前から栽培される地域の特産品「古江いちじく」について、総合的な学習の時間で年間を通して学んでいる。
 同校では、町の資源「古江いちじく」を学ぶことで、イチジクを通じて地域への愛着や関心を深めてもらおうと、地元生産者や、JA、公民館などの協力を得て、2015年から「古江いちじく」についての学習を継続している。
 2日、同校へ生産者の鳥越博己さんと「古江いちじく」を次世代へ継承するために古田公民館を拠点として活動する地元グループ「古江いちじくプロジェクト」のメンバー4人、JA広島市の職員らが訪れ授業を行った。
 授業は「古江いちじく今昔物語」と題して行われ、同プロジェクトメンバーらがパネルシアターで楽しく「古江いちじく」の特徴を紹介。同校の卒業生のメンバーが提供する写真や書物、昔の栽培器具などで地域の歴史に触れた。また、同JA組合員サポート部の小田祐司地域総合サポーターが、出荷体制や流通の現状などを説明。鳥越さんが一年を通しての栽培過程やブランドを守るためのこだわり、宅地化した地域で農業を続けていくことの難しさについて話した。児童らは「なぜ生産者が減っているのに増やさないのか」「鳥や虫などの対策について」など質問を投げかけた。
 これまでに児童らは鳥越さんの圃場で、実をつけて間もない「古江いちじく」の木を見学。今後、最盛期の圃場を見学したり、収穫したイチジクを使ったジャムづくりを体験し、年度末には学んだことをまとめて、「古江いちじく」を守るためにできることについて発表する予定。
 鳥越さんは「地元のブランドである『古江いちじく』の学習を通し、子どもの時から『農』に親しんでもらいたい。愛情を持って栽培していることを知ってもらい、大切に思ってくれるとうれしい」と話す。