広島県内農業ニュース
【ひろしま・三原】イチジク農業塾 県研究所で視察研修 「励広台1号」を学ぶ
2025.10.28
県内農業
JAひろしま三原地域は8日、「竹原イチジク農業塾」の視察研修として東広島市の広島県立総合技術研究所農業技術センター果樹研究部を訪れた。塾生5人がイチジク株枯病の抵抗性台木を使った圃場(ほじょう)を見学。台木導入に関する知識や技術を習得し、イチジクの安定生産を目指す。
株枯病は土壌伝染性で、感染すると樹が腐敗して枯死に至ることから全国の主産地で問題とされている。視察では、同センターの研究員がイチジク株枯病に強い抵抗性を有する台木「励広台1号」を紹介。慣行の自根樹と比較して生育や果実品質、収量に大差がないことなどを説明した。塾生は同台木にイチジク「蓬莱柿」を接ぎ木した苗木の活着・生育状況を確認し、一文字仕立ての整枝方法などを学習。研究員への質問も活発に行われ、理解を深めた。
参加した塾生は「定植後の経過年数による生育状態を見学することで自分の畑での見通しをもつことができた。作業性の確保や安定収量につながる整枝管理など勉強になった」と話した。
JA広島果実連の髙本大輔技師は「視察研修を通して県の開発した品種の特性や技術を学び、今後のイチジク栽培に役立ててほしい。竹原市のイチジク産地の担い手として期待している」と話した。
同JA三原地域では、イチジク生産者の高齢化や担い手不足が進む竹原市で産地の維持・拡大を図るため、2024年度に同塾を開講。市場出荷を目指し、イチジクを5㌃以上または10本以上の植え付けを計画する人や既存生産者を対象に年間を通じて栽培指導を行っている。


