広島県内農業ニュース

【広島市】地元特産の「広島菜」を使ったお餅を発売

2025.05.20
県内農業

 広島市安佐南区川内の和菓子屋の有限会社ツネモトが、「ミニ広島菜」を生地に練り込んだ「広島菜餅」の開発に乗り出し、4月27日から販売を始めた。初日は販売先である同区のJA交流ひろば「とれたて元気市」で、試食販売を実施。あん入り餅2個入り、5個入りをそれぞれ30パックずつ、平餅5個入りを30袋販売した。       
 「ミニ広島菜」は、通常の「広島菜」を若いうちに収穫したもの。大きさは20㌢程度で、小さいながらにしっかりと広島菜特有の風味があり、食感は柔らかく、生でサラダでも食すことができる。伝統野菜の「広島菜」の認知度向上を目指し、地元若手農家が2022年から栽培に取り組んでいる。
 同社が製造する餅の中でも、平餅やよもぎ餅が人気を博しているが、昨年から国産よもぎが入荷しにくくなったことをきっかけに、替わりになるものを模索していた。そんな折、地元農家が栽培した「ミニ広島菜」を使ったお好み焼きを紹介するニュースが目に飛び込んだ。かつて「広島菜漬」を使った商品を開発したこともあったことから、早速、商品開発に取り組んだ。
 食感をしっかりと出すため切り方を工夫し、風味や色味にもこだわり生地に練り込む量も少しずつ調整した。野菜の苦手な子どもにも好評で、焼いて食べたりみそ汁の具や鍋のしめなど、食べ方は多彩だ。
 ミニ広島菜を提供している上村農園の上村隆介さんは「地元の特産を地元の老舗和菓子屋さんに使ってもらえることがとてもうれしい。『広島菜』をより多くの人に知ってもらえる機会になれば」と期待を込めた。商品の発案者である常本まり子さんは「多くの方に知ってもらい、川内の特産品である『広島菜漬』と並んで『広島菜餅』も川内の名産となればうれしい」と話す。