広島県内農業ニュース
【ひろしま】野菜や食花でクレヨン 食品ロスや地場産考えて 果実工房(岡山県奈義町)が協力 県立庄原実業高校生物生産学科
2025.06.10
県内農業
県立庄原実業高校の生物生産学科3年生は、野菜やエディブルフラワーを使ったクレヨン作りに取り組む。規格外品などを原料にした「せとうちおやさいクレヨン」を販売する岡山県奈義町の果実工房も協力。食品ロスの削減を考えるきっかけ作り、庄原産野菜や花のPRなどにつなげる。
クレヨン作りは、授業で日本の食品ロスを学んだことがきっかけ。農林水産省などの統計に生産現場で破棄する農産物が含まれていないことに着目。出荷調整で捨てる部位や規格外品などを顔料として有効活用する。
生徒は、校内の畑でサツマイモやラディッシュ、バジルなどの野菜とエディブルフラワーを栽培する。規格外や基準を満たさず破棄する農産物を想定し、原料を葉や皮などに分けて、乾燥させ粉砕。米ぬかから採れた米油、ライスワックス、ミツロウなど、自然由来の素材を使い、配合を変えて研究を続ける。
研究には、同社の平野幸司代表取締役が協力する。ウェブで生徒と意見を交換して、「せとうちおやさいクレヨン」販売の経緯や想い、関係者や購入者の評価などを説明。農産物の乾燥時間や温度、配合原料、濃度の調整方法、パッケージなどを助言した。
寺岡ゆずるさん(17)は「専門的な意見を聞き、課題解決の多くのヒントを得た。クレヨンを通して食品ロスや地域に目を向けてもらえるよう研究を続けたい」と話した。生徒らは、クレヨンを使い地域でワークショップを開く予定で、11月の完成を目指す。