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【福山市】夫婦二人三脚で「マル豊とまと」を生産 芳賀悟さん 明日香さん

2025.08.05
県内農業

 県内一の大玉トマト生産量を誇る神石郡神石高原町で、特産「マル豊とまと」の出荷が最盛期を迎え、生産者が出荷作業に精を出している。同町の芳賀悟さん(46)は、神石高原マル豊とまと生産出荷組合で副組合長を務め、ビニールハウス13棟40㌃で約9000本を管理。妻の明日香さん(44)とともに、二人三脚でトマト栽培に励んでいる。
 悟さんは、かつて夫婦ともに大阪で暮らしていたが、「もっと自分に合った仕事を見つけたい」との思いから、40歳で一念発起。行政や出荷組合、JAなどが連携して実施する「マル豊とまと」の新規就農者研修制度を知って応募した。1年目は指導員の指導のもと栽培の基礎を、2年目は研修ハウスで実践を通じて技術や経営ノウハウを学んだ。
 栽培で重視していることは、土壌の水分管理。毎日小まめにハウスを観察し、マルチをめくって土の状態を確認するなど、きめ細やかな管理を徹底している。病害虫についても早期発見・早期対処をすることで、品質の維持・向上に努め、今年も上質なトマトに仕上がっている。
 また、組合では昨年、講習会や情報共有など生産者の技術向上や連携強化に積極的に取り組み、販売高は過去最高を記録した。悟さんは「この成果は組合員や地域の皆さんの支えがあってこそ。今後はさらに出荷量を伸ばし、組合の活動を通じて産地の維持・発展につなげたい」と意欲を見せる。今後は、後継者確保や育成にも力を注ぐ。
 芳賀さんが育てたトマトは、11月下旬まで県内や大阪の市場へ出荷される。二人は「おすすめの食べ方はマリネ。角切りにしたトマトに、スライスしたタマネギと調味酢、しょうゆやごま油などを合わせると、暑い夏場でもさっぱりと味わえる。特産の味をたくさんの人に食べてほしい」と笑顔で話す。