広島県内農業ニュース

【ひろしま・三原】かんきつ産地でイノシシ被害 瀬戸田町で対策講習会

2025.09.30
県内農業

 尾道市やJAなどで構成する尾道市瀬戸田地域果樹振興対策会議は9月12日、同市瀬戸田町でイノシシ対策講習会を開いた。2024年産ミカンの収穫期に被害が拡大した状況を踏まえ、対策強化を目的に実施。一般社団法人広島県鳥獣対策等地域支援機構(通称tegos=テゴス)を講師に招き、同町のかんきつ生産者45人が獣害対策の知識を習得した。
 講習会では、テゴスの中川浩二理事がイノシシの生態や被害実態などを紹介。電気柵やワイヤーメッシュ柵の設置・管理方法を解説し、同町特有の傾斜地で施工する際の注意点も示した。支柱の太さや間隔、設置の高さなどの具体的な手順の他、侵入防止効果を持続させる管理の工夫、電気柵とメッシュ柵を組み合併せた複合策の有効性についても説明があった。
 参加した生産者らは、自身の畑での被害状況を踏まえながらイノシシの行動特性や侵入防止策の施工時のポイントなど積極的に質問。猟期の延長や実施頻度の増加を求める声も上がった。
 JAひろしませとだ柑橘事務所の片山武志副所長は「イノシシによる被害は年々深刻化しているため生産者の関心が高く、多くの参加があった。今後も効果的な対策の普及に努め、安定生産につながる取り組みを進めていきたい」と話した。