広島県内農業ニュース
【福山市】自然な環境を整え一羽一羽の世話に励む 採卵養鶏に情熱を注ぐ「ながみねファーム」
2025.10.14
県内農業
広島県福山市で採卵養鶏を営む「ながみねファーム」代表の長嶺充さん(43)は、日本でも希少な純国産鶏「岡崎おうはん」約500羽を初生雛から丁寧に育てている。平飼いで自然に近い環境を整え、一羽一羽に向き合いながら日々愛情を注ぐ。年間を通じて、JA福山市の農産物直売所「FUKUYAMAふくふく市」へ出荷し、元気にすくすくと育った鶏が産む新鮮な卵は、来店者の間で評判を呼んでいる。
関東地方の出身だが結婚を機に妻の実家がある福山市へ移住。妻の父が兼業農家だったことから農業に興味を持ち、福山市が実施する農業担い手研修や有機農家のもとで栽培の基礎を学んだ。その中で、会社員時代に鶏を飼ったことがある経験から「自分は生き物を育てるほうが向いている」と感じ、養鶏の道へ進むことを決意。同市内の養鶏場研修でノウハウを身に付け、独立して「ながみねファーム」を立ち上げた。
鶏が心身ともに健康に育つよう、快適な環境づくりに力を入れる。広々とした鶏舎ではオスとメスを分けることなく自由に過ごせるよう配慮。飼料には米や麦など約10種類を自家配合した発酵飼料に加え、季節の野菜や果物を与える。地産地消にこだわり、地域内で生産された飼料を活用することで、環境循環にも配慮した安全・安心な卵づくりに努める。
長嶺さんは「飼育環境の整備や地元産飼料の活用を通じて、持続可能な循環型農業に取り組んでいきたい。自然卵(有精卵)は雑味や臭みがなく食べやすいのでぜひ一度味わってほしい」と話した。